竹達彩奈さんご結婚おめでとうございます
声優の竹達彩奈さんが自身の30歳の誕生日である2019年6月23日に、同じく声優である梶裕貴さんとの結婚を発表した。
誠にめでたい話である。
心からの賛辞を送りたい。
私はいわゆる声優ファンではないが、竹達彩奈さんには並々ならぬ思い入れがある。
今日はその思い出についてちょっと話そうと思う。
私は高校1年だった頃、市内の私立高校に通っていた。
高校生らしく、「部活に恋に勉強に大忙し!」という訳にはいかず、勉強はあまりしないし、恋は実らないしで散々たる高校生活だったことは既に話した通りだ。
その中でも、勉強に関しては全くやる気が出ず、授業中は専ら机の下でマリオカートか早弁をしていた。今でこそ「どうしようもねーなー」と思えるものの、当時はそんなんだったのだから仕方がない。
ただ、そんな私でも授業中に周りに迷惑をかけることはしなかった。授業中は務めて静かにしていたし、早弁も匂いを発しそうなオカズの時は控えた。しかし、私のクラス内には冬でも膝上20~30cmのミニスカートで「寒さ上等!先公クソ喰らえ!」の超アゲアゲアッパー系の女子がおり、そいつらは本当に酷かった。ろくに授業を受けず、いつもギャーギャー喚いてるくせに、急に授業に参加しだして先生を困らせるような質問を投げつけたり、机を移動させて仲良いメンツでお化粧をし合ったりする。学級崩壊とはいかないまでも、まともに授業を受けられないような環境に仕上げていた元凶だ。
私は、高校に入学するまでこんなにも品性が終了している女性を見たことがなかったので、酷く驚いた。
「まさか、こんなに終了している女性がこの世にいるなんて!」
その当時の私の落胆ぶりは凄まじく、教室に入ってもその現実を直視できなかった。「あぁ…今日も
騒いでらぁ…」なんて遠い目をしながら、早く放課後になってくれー!と思っていたものである。
さて、そんな環境下において、私は軽い女性不信に陥ってしまった。(自分で言うのもなんだが、何かに陥りすぎだと思う。)
「3次元はダメだ!ろくな女性がいない!」となると、私が2次元の世界に突っ走るのは自明の理である。その時に出会ったのが、『ロザリオとバンパイア』の白雪みぞれちゃんと、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の高坂桐乃(通称、桐乃)である。この2人にはとても助けられた。
「なーんだ!女性は終了!乙!あざした!とか思っていたけど、良い女の子も存在するんだ!」と口角を上げてニンマリ。マリオカートと早弁をしていた授業時間は、みぞれちゃんと桐乃の画像収集をする時間に充てられた。私が持っていない画像を友達が持っていると本気で悔しがり、妬み、その友達の倍の画像を収集することでキャラクターへの愛を表明していた。不器用な愛である。放課後はそのキャラクターのガチャガチャを回し、アニメイトに行っては「新作(のグッズ)が入っていないかな?」と毎日パトロール。部活をしていたためアルバイトが出来ず、月のお小遣い5000円という中で、毎月発売されるBlu-rayを購入するための金をなんとか捻出してBlu-rayBOXにディスクを納めていく日々。昼飯代として渡されたお金を節約し、命を削って得た金を2次元にぶっこむ当時の私はオタクの鑑だったと思う。
夜は俺妹ラジオを聞き眠り、小説が発売されるとその日に購入してそのすぐ近くの椅子で読み始める。呼吸を忘れて読んでしまって、息切れしながら鼻息荒く外でラノベを読むその様は、明らかにヤバめの男子高校生。しかし、当時は全くもって周りの目を気にしていなかったため、ノーダメージであった。
説明を忘れていたが、何を隠そう『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の高坂桐乃を担当していた声優が竹達彩奈さんである。
今でも、「竹達彩奈さんの代表キャラクターは?」という質問に「高坂桐乃!」と答える人は多くいると思う。それだけインパクトのあるキャラで、私たちの心をムンギュっと鷲づかんでいったお方なのである。
また、インターネットの発達した現代、お気に入りのアニメキャラクターが出来たら、いわゆる“中の人”も見てみたいのが心情である。アニメを見終わった私は秒速でパソコンの前に向かい、“竹達彩奈”とタイピング。
瞬間、「オイっ!!くっそ可愛いやんけ!!」と椅子からひっくり落ちる私。2次元=可愛い。3次元=可愛い。なんだ!?最強か!?
それから私は竹達彩奈さんに夢中になった。ブロマイドも集めたし、インタビューが載ってる雑誌も買ったし、竹達彩奈さんが演じるほかのキャラクターが出演するイベントにも参加した。俺妹のゲームが発売された時には初回限定盤を当然予約、全てのストーリーをクリアし、部屋の中で布団に潜り「人生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」と叫んだ。その日々の充実感たるや、半端ではない。さぞかし安らかな死に顔をしていたことだろう。
こうして、女性に絶望した私が救いを求めた先には竹達彩奈さんがおり、その絶望の縁から彼女は私をすくい上げてくれたのである。
そんな暗黒の高校時代を竹達彩奈さんに助けられた私からすると、今回の結婚のニュースは朗報だ。今でこそ竹達彩奈さんの動向を逐一追うようなことはしていなかったが、吉野家の広告で牛丼を美味しそうに食べる竹達さんや、地震が起きる度に「揺れた?」なんてセクハラをかまされる竹達さんを見て、日々のストレスを癒してもらっていたのは事実。
私はあまりお相手である梶裕貴さんのことを知らないのだが、演じているキャラクターを見ると一線級で活躍する凄い人のようだ。顔も拝見したが、中々にカッコ良い。まぁ相手が誰であれ、竹達さんが選んだ人で、その人と幸せになってもらえたらいいと思う。声優ガチ恋勢の動向が心配だが、30歳という年齢を鑑みて許してあげて欲しい。私たちは彼女から十分夢を見せてもらえたはずだ。多分、「今から死ねば竹達彩奈さんがママになるように転生出来るぞ!」なんてスレが立っていると思うけど、それはそれで夢があっていいと思う。夢は自分の手でつかみ取らねばならぬ。「死は救い」という格言はこういう時に使われるんだろう。
何はともあれ、竹達彩奈さん、いえ梶彩奈さんご結婚おめでとうございます。
私はあなたに青春時代を助けられた一人です。
あなたがいなければ、私は今でも女性不信だったかもしれません。あなたの存在が一人の冴えない男を救ったという事実、記憶しなくても構わないですから、感謝の気持ちを送らせてください。ご結婚、本当におめでとうございます。
これからの結婚生活が豊かになりますように、心からお祈りしております。