土手

みんな集合だよ~

M-1グランプリ2015の感想

(当時、他のブログで書いていたものの転載です。かなり生活が荒れていた時期で、メチャクチャなことを言っているみたいですが、若気の至りということでご容赦いただけたら・・・)

 

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少し茫然自失していた空白の時間があったので、リハビリがてら少し文章でも書きます。「準々決勝のネタ動画を見てた」とかの予備知識や偏見をなるべく入れないように書いてみます。
〇書き方 【コンビ名】実順位(私の中での順位)

【メイプル超合金】7位(1位)

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めちゃくちゃ面白かったです。前から知ってたんですけど、M-1復活の第1組目でここまでインパクトを残せたとは。確かチュートリアル徳井も言ってたけど、変質者がちゃんと変質者やってるってのは凄くいいことだと思う。多分、作られた笑いじゃなくて、自分が面白いと思ったことをそのままぶつけているから。そういう意味でメイプル超合金は本当に自由でした。「楽しんで漫才してるな」って見てる私まで嬉しくなってしまった。「メイプル超合金の何が好きか」と尋ねられると多分私は「ボケを予測できないから」と答えると思う。あんまり笑いをロジックとか構成で判断したくないと思ってて、その場その瞬間にただただ面白いことを言って欲しいしやって欲しいと思っていて。「漫才中にコンビニに行く」「急にWi-Fiがぶつかってくる」「ブパパブパパブパパ~~」という終わり方。どれもこれも私の中の漫才の概念を破壊して、それでも笑いを再構築してくれて、笑うことが出来てる。今までの漫才の形をイジって破壊するとかじゃなくて、マジでそのまんまのボケ一つ一つが破壊的で面白い。それなのに、ものすごく漫才してる。ボケる→ツッコむの流れしかない。これって凄くないですか?私はまぁ、劇場に足を毎回運ぶほどのお笑いファンじゃなくて、せいぜいYouTubeで動画をよく見るくらいだけど、今まで見た中でトップクラスに面白い漫才だったと思います。7位、残念だったけど多分売れると思います。キャラだけじゃないので。

 

【馬鹿よ貴方は】8位(2位)

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なんてことだ。馬鹿よ貴方はが8位だなんて。面白ければそれは正当に評価されると思うんだけど、「これは順番も関係あっただろ!」と言いたくなってしまった。はっきり言ってメイプル超合金→馬鹿よ貴方はの流れが良すぎてしまい、これ以降のネタは「確かに面白い。けどなんだかなぁ。。」と思えてしまったのです。メイプル超合金のところにも書いたけど、ある程度お笑いを見てる人は、もう笑いのテンプレートみたいなものが理解出来てしまう。例えば、「意味の無い言葉をツッコミが放置していたとき、これは絶対に三回言ったあたりでツッコむんだろうな」とか、「あっ、これは天丼のパターンのやつだな」とか。確かに何回も同じことをやられたら笑うし、「今更ツッコむのかよ!」的な笑いは起こるんでしょう。でも、はっきり言ってそういうの見飽きた。誰でも作り出せる笑いになってしまってる。誤解を恐れずに言えば、ボケにオリジナル性が感じられないと言いますか。。前置きが長くなりましたが、馬鹿よ貴方はは、これまた意味がわからないボケを繰り出します。漫才なのに(本来明るいもの?)脳味噌を見せつけられるかもしれないという恐怖を与えてきたり、しつこいというレベルでは済ませられないくらい言葉を連発してきたり。「フリとかやめましょう」と上では言いましたけど、馬鹿よ貴方はの使ったフリは、ネタ中はボケの濃さにかき消されて、最終的に「あっ、絶対ここでくるな」と分かっていても笑わされてしまうパワーを持っていました。こういう形だったら別に文句は言いません。ただ、最近の漫才ってフリだのメタだのが多い気がして、少し嫌気が指してきませんか?話は変わり、馬鹿よ貴方はの漫才は飄々としていてその点も好きです。漫才コント、と言われるジャンルだと思うんですけど、馬鹿よ貴方はの場合はコントと漫才の間がすごく面白い。新藤に舐めた口を聞く平井ファラオ光が輝いています。これだったら漫才コントをやる意味があると思いますね。そもそも漫才コントって「漫才である必要ある?」と思うことがあります。漫才コントの良さって、場面が逐一切り取られて色々なボケを挟めるという点だと思うんですけど、うーんなんだろう。俺が見たいのはそういう、パターンの笑いの種類を教えて欲しいんじゃなくて、面白いモノが見たいんですよね。難しいな、なんて言ったらいいんだろう。馬鹿よ貴方はって漫才コントを全然やろうとしないじゃないですか?終始新藤を舐めてるだけ。その構図が見ててウケちゃうんですよ、私は。日常生活において漫才コントをやることなんてまずないですよね?だからなのかな。私でもこういう風にふざけちゃうだろうなっていう感じが、馬鹿よ貴方はにはあって、それが私は好きなのかもしれない。私は何を言ってるんでしょうか?
とにかく、かなり好きです。個人的には3回戦のつかみのネタで「死ね」と言ったやつにめちゃくちゃ笑ってしまった。あと、「やっとM-1らしくなってきましたね」は「思てたんと違う!」くらい響きましたね。ごちゃごちゃ言っちゃったけど、直観で面白かったんだ!!?!!

【スーパーマラドーナ】5位(3位)

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スーパーマラドーナは惜しかったですね。個人的には3位なので、もっと上に行って欲しかったです。あと、一つだけすいません。ここから先の感想は簡素になる可能性あります。なぜなら、今回はメイプル超合金と馬鹿よ貴方はについて書きたかったからです。でも、書きます。スーパーマラドーナは私が散々批判したフリとか天丼をネタの中に上手く組み込んでいる感じの漫才だったように思えます。女の子の名前を間違える、パンティを被り続けていた、最初にフッたはずの落ち武者がいつまで経っても出てこないなど。なんででしょうかね。すごく面白かったです。個人的には「両親の死因をしつこく聞きまくる」ってボケがダントツで記憶に残ってるので、そこが良かったと思います。「不謹慎wwwだけど笑っちゃうwww」といった感じでしょうか。大きな漫才の流れは最初にフッたものを途中普通の漫才コントに流しつつ最後に回収したって感じなんですけど、かなり正統派な印象を受けました。しっかりボケてしっかりツッコむ、という形が綺麗に決まってましたよね。他のコンビはツッコミにクセが出てきたりしてたんですけど、スーパーマラドーナはボケを気付かせてくれる、一緒にボケにツッコめるツッコミだった気がします。その点が、一緒に楽しめて良かったのかな。ネタ自体も面白かったですしね。ただ、テレビではあまり映えないのかな。。

【和牛】6位(6位)

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うーーん。和牛に関しては、単に揚げ足とって屁理屈こねてるだけにしか見えなくてですね。。正直、爆笑が起こる漫才、芸風ではない気がします。それでも面白く思える形にしているのは流石だなと思うんですけど、自分の予想範囲内で話が完結してしまうんですよね。結婚式から逃げてきた→わかる。結婚式に戻る=大変→うん、わかる。まぁ、そうだよなぁ、くらいで終わってしまう。結婚式から逃げてきたとしたら起こりうるであろう不都合なこと。こんなことを普段あまり考えることないからポンポン繰り出されるボケ(たしなめ?)に笑ってしまうのですが、それでも自分の予想範囲内で終わるだけなら「あっ!やっぱりこういう問題点出てきた!まぁ、こう言うよね!予想通り!ヤッター(*^^*)v!」みたいな。当たって嬉しいみたいな。個人的にはそれよりも自分では思いつけないような突拍子もないボケが好きなので、そういう意味ではあまり合わなかったかな。。

【ジャルジャル】3位(7位)

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楽しみにしてただけにガッカリしてしまったというのが7位の理由です。ジャルジャルを初めて見たのがいつだったのか今や覚えていませんが、強烈に記憶に残るオバハン!のコントと角刈りがイキるコント。その二つがジャルジャルの笑いの本質だと思っていただけに、今回のような言い間違いとか、人と少しズレた感覚をイジる一辺倒の漫才を見た時「あーー」と思ってしまったのです。理不尽さ、というのは私がかなり好きな笑いのツボでありまして、その理不尽さを傍若無人に振りかざしていたのがジャルジャルだったと、思い出補正なのかもしれませんが思っていたんですよね。ずっと言い続ける(しつこい)ことはもう既にジグザグジギーが様々なシチュエーションでやっているのを見てますけど、少なくともその繰り返しには意味があります。でも、ジャルジャルの、特にオバハン!のコントはもう意味なんて存在してないじゃないですか。あんなヤツいたらヤバすぎるでしょうよ。無茶苦茶だよ。私はそれをジャルジャルの魅力だと捉えていました。しかし、今回は。。過去、THE MANZAIでウーマンラッシュアワーが、漫才は決まりきったことを練習してるのに、その漫才の中で漫才をメタにして笑いをとる的な(伝わって欲しい)手法をとってい優勝をしました。それも今やパターンに入ってしまっています(さらば青春の光の敗者復活的な)。こういう具合に笑いにも流行り廃りが少なからずあって、多くの人々が認知してしまうとそれは飽きてしまうのです。今回、ジャルジャルがやっていた変なイントネーション、従来行われてきた行為を少しイジること、そしてそれらを時間差でツッコむこと。これはもう私の中ではパターンが確立してしまっていて、全く新鮮味が感じられなかったのです。だから、ネタを見ている時も「またか、まただ、もういいよ」ってなっちゃってどんどん面白味が減って来てしまいました。落ち着いたのかな、みたいな。全く意味の無い、くだらないバカみたいなジャルジャルを次は見たいです。漫才だとやっぱり厳しいのかな。劇場に行かないので、全然わかりませんが。。

【銀シャリ】2位(8位)

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「ボケの質ははっきり言ってそんな高くない」と言い切ってしまいます。ベルリンの壁ドンとか料理のさしすせその言葉遊びは割とすぐに思いつきます。こういうこと言うと「じゃあお前やれよ」とか言われそうでやだなぁー。でも、感想文ってモロに自分の感情そのまんま書いた方が面白いと思っているので、このまま行きます。そういった平凡なボケの連発だったのを2位まで押し上げたのはひとえにツッコミのおかげでしょう。あのボケの一つ一つはツッコミと組み合わさって初めて一つの笑いを生み出します。そして銀シャリはとてもテンポが良いし、聞き取りやすいです。これはけっこう大事なポイントだと思っていて、ボケの量は多いし、ツッコミもボケを少し上回る程度のフレーズを上乗せして更に昇華している。それらを聞き取りやすい声で形でお客にお届けしているので、銀シャリは万人受けするタイプのコンビだと思います。そして、いわゆるM-1との相性もいい気がします。それらが相まってググっと二位にまで行けたのでしょう。でも、私はそんなでもなかった。いやいや、あくまで私が感じただけですからね。なんか本当に型に嵌め込んで頑張ったんだなぁ、と思っちゃったんですよ。全く悪いことじゃないと思います。けど、それがお笑いの正しい形だと言い張ってるうちは、これから先のお笑いはあまり良くない流れになると思っています。2015年、永野が爆発的にブレイクしましたが、それも歌ネタという部分を評価されてのこと、キモさを評価されてのことだと思っています。永野のショートコントとか、めっちゃ笑顔で香水振りますっていうのも、キモさが先行的に評価されていて、なぜ笑顔で香水を振っている人間を見ると笑ってしまうのかの部分では評価されていない気がしています。ミーハー層と言って、プロとか素人とかの垣根を作るのはあまり好きではありませんが、そこにあてがうような笑いを作っていてはダメだと思います。「こうすればウケるんでしょ?」感が透けるとすっげー冷めます。パターン系の漫才ってたまにそれを感じちゃうんだよなぁ。銀シャリにそれを感じたわけじゃないんだけど。。

【ハライチ】9位(9位)

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うーむ。私の耳が悪いせいじゃないと思いたいけど、分かり辛かったよね?ハライチ。今までのハライチの漫才のパターンとは少し変わってたけど、まぁマイナーチェンジであって、あんまり変わり映えしてない。それなら爆発的な何かがないと厳しいとは思っていたけど、特に何もなく終わってしまった印象。何より、ハライチからは上記の「こうすればウケるんでしょ?」感が出ちゃってる気がしてならないんですよ。これが私はすごく嫌なんですよ。特に澤部が無理で、これは普段のバラエティで見かけてもそう。俺面白いでしょ?感は絶対出しちゃダメだろ。ネタを振り返ってみても「んん?」だった。この程度のマイナーチェンジだったら前ので良くない?澤部のボケに乗って流すやり方を無理やり組み込んでいるせいで、ネタの内容に頭が通りにくい気がする。
う~~~~ん。。。。

【タイムマシーン3号】4位(4位)

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面白かった。タイムマシーン3号らしい良いネタでしたね。デブがデブのこと言うのはやはり面白いんだね。その中でも、きれーいに言葉を文字っていて動きもあり、とこれまた万人受けするタイプ。だからこそ、私はあまり書くことが見当たらないです。。確かに面白かったけど、後になると記憶には定着していないんだよね、こういうタイプ。難しいですね。

【トレンディエンジェル】1位(5位)

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斉藤さんおめでとう。
敗者復活に関しては、私はとろサーモンに投票していたから悔しかったですけど、決勝進出の3組の中では納得です。トレンディエンジェルこそ万人受けどころか億人受けするタイプ。なぜなら、全年齢を対象にできるからです。だからこそ、私はこの順位にした。ハゲというマイナスを笑いに持っていくパワーは確実にある。ネタを更新し続けている姿勢も好ポイントだし、華もある(逆に)。でもなぁ、ちょっと食傷気味なんだよねぇ、ハゲとかデブとか。芸人的には笑ってやるのが正解なんだけど、私は人のコンプレックス部分を笑うのが苦手なんだよな。どうしても気にしちゃってさ。トレンディエンジェルはその点を明るく行ってるから問題なしなんだけど、やっぱり気になっちゃう。それでもトレンディエンジェルが決勝一位で納得っていうのは、ボケが決してハゲ関連だけではないということですね。ケツをなで回すホモの下りとかプッとか、私はそっちの方が好きです。くっそ下品なのに、きちんと笑いに仕上げてくるのは好感に値する。だからトレンディエンジェル決勝一位には特に不満はないです。

【総括】


全体的にレベルは高かった。審査員も詳しくは見てないけど、色眼鏡なしの採点をしていたと思う。ポンポン大会が進んだのも良かった。不満があるとすれば、上戸彩を抜くカメラマンと敗者復活か。いや、上戸彩じゃなくて芸人に向けないと!一挙手一投足を見逃したくないんだよ!しっかし、敗者復活はトレンディエンジェルが圧倒的人気でしたけど、現場はどうなんですかね。とろサーモン一択と思っていただけに動揺しましたね。国民の投票システムだと、やっぱりトレンディエンジェルみたいな分かりやすいコンビが上がってきてしまうんでしょうか。でも、敗者復活戦二位がとろサーモンだったのは少し救いだったと思います。また来年も楽しみにしています。