カラミティエンドは何故あんなにも俺たちの心を掴んで離さないのか
全ての技の中で、カラミティエンドが一番好きだ。
ダイの大冒険に出てくる最後の敵、バーンが使用する技で、渾身の力で手刀を繰り出し、相手の体を切り裂く。そのパワーはオリハルコンをも容易に砕くことが出来る。
件のカラミティエンドはこちらだ。
手刀とか言ってちょっとカッコつけてしまったけど、要するに本気のチョップだ。
しかし、この本気のチョップをカラミティエンドと名付けるセンス、痺れないか?
さすが大魔王だ。ネーミングセンスでも勝てないと思わされてしまう。
カラミティエンドは技としての意味でもカッコいいが、なんと言っても語感がいい。
「チョップ!!」と言いながら手刀を振り下ろすよりも、「カラミティエンドォォォォ!!」と言いながら手刀を振り下ろした方が絶対に気持ちがいい。
そして、攻撃技故に、その特質は相手を死に至らしめるものであるべきだが、それを「エンド」と掛けていそうなのもいい。
技名からひしひしと感じる「お前を終わらせる(殺す)」響きは、相手から見ても恐怖であるに違いない。
ちなみに、「カラミティ」は一体なんなんだろうか。
カラミティをググってみたが、それ単体の意味はないようだ。だとすると、本当に語感だけで付けたのだろう。圧巻のセンスだ。
ものは試しに、「カラミティエンド」と声に出してみて欲しい。スラスラと口から出てくる技名に驚かれるのではないか。
そう。カラミティエンドは、めちゃくちゃ言いやすい。その語感のリズムを生み出しているのは間違いなくカラミティだろう。「クロマティ」と同じような響きのこの言葉は、「なんとなく言いたくなる」魅力があるし、実際言っていて爽快だ。
また、技の最初の二文字である「カラ」だが、日本人であれば空手を連想する人も多い。
そして、実際にその技を見てみると、手刀を振り下ろすもんだから、技とネーミングとの絶妙なマッチングに感動を覚えるだろう。
このように、カラミティエンドには様々な魅力が重なり合っている。
ただ、いくら同じような響きだからといっても「クロマティエンド」ではない。
あくまで、「カラミティエンド」なのだ。
作中では、技として連発をするようなものではなかったが、私の心の中に「チョップ」=「カラミティエンド」という方程式を刻み込むのに十分すぎるほどのインパクトを与えてもらった。
将来、子どもができた時、チョップのことはカラミティエンドとして教えこませようと思っている。