中華料理屋でめちゃくちゃ性格悪そうな店員の作るチャーハンが美味くて悔しい

毎週金曜日はたいてい外食をすることにしていて、数少ない楽しみの一つになっている。

この前もウキウキ気分で餃子で有名な中華チェーン店に行ったのだが、非常に気まずい場面に遭遇してしまった。

まず、店の構造について説明しよう。

その店は二階建てになっており、一階のカウンター席の目の前には厨房が広がっているため、間近で調理風景が見られる作りになっている。

そして、店内には二階からのオーダーを厨房に通すための店内放送的なものが適宜流れていた。

私が注文を終え水を飲んで待っていると、

オーダーを厨房に通す女の子の声が店内放送で聞こえてきた。

「オーダー入ります。ｳﾌｯ♡炒饭和饺子(ショファンフチャオティ)！！ｱﾊｯ♡」

注文を取った女の子は明らかに笑っている。ヘラヘラしていたと言ってもいいかもしれない。その声が店内放送に流れてしまったのだ。

ただ、これはしょうがないと思う。多分、急に冷静になっちゃったんだと思う。その中華チェーン店は本場の雰囲気を味わって欲しいのか知らないけど、注文を厨房に通す時に中国語でメニューを言うようになっているっぽい。

しかし、冷静になって考えてみると、こちらがメニューを注文する時はバリバリの日本語で頼むし、そこから中国語に変換される意味が全くない。むしろ、「いやいやちゃんと今のオーダー伝わってます？」と不安を煽りかねない。また、見る限り店内で働いている人たちは日本人ばかりだし、いきなり中国語メニューが飛び交ったところで「いやぁ〜本場の中国に来たって感じですなぁ！！」って思うやついないだろ、とは思う。

そんな状況下において、中国語でメニューを通している自分の姿に笑っちゃったのかもしれない。（だって、わざわざ日本語メニューを中国語で言い直していて、明らかに二度手間だから。）うんうん、まぁ、そういう時もあるよね。店内ルールで決められていてても、ツボに入る時ってあるよね！

とまぁ、そんな感じで、笑ってる女の子の声が店内に流れたところでこちらとしてはノーダメージなんだけど、目の前の厨房で鉄鍋を振るっていた社員さんっぽい男性が、

「オイ、今のなんだよ！？！？なにヘラヘラしてんだよ！！！！」

と声を荒らげていて、それを聞いた先輩らしきオバサン店員がインカムかなんかで、

「ちょっと！！何笑ってんのよ！？！？！？」と女の子を目の前で叱り付けていた。

「うーわ、キッツ…」

食事の前にそんなの見せんなやと。

接客のルールとして、「お客の前でヘラヘラしてはいけない」ってのはあるだろうから、「今回の件は女の子が悪いかな？」とは思うけど、その叱咤のシーンを客前で行うってのは女の子の失態以上に害悪じゃないか？？気分悪くなるわ。客の前で店員を叱りつけない。それもマニュアルに書いといてくれ、頼むから。

んで、改めてこの男を確認してみると、鉄鍋を振るって何かを炒めている。と･･･いうことは私が頼んだチャーハンもこの男が作るわけか。。。お世辞にも性格が良いとは言いきれないこの男が繰り出すチャーハン･･･あまり期待はできないな･･･はぁ、せっかくの週に一度のお楽しみなのに…

と思ってたら、チャーハンが美味ぇ美味ぇ！！！！！！！！！！！

食事前にあんなに不愉快にさせられたのに、めちゃくちゃチャーハンが美味しいなんて･･･悔しい･･･けど感じちゃうううぅ（ビクンっビクンっ！）

私は悔しいよ。とても悔しい。

なんであいつが作るチャーハンがこんなにも美味いのか。嫌なヤツが作るメシは不味くて、良いヤツが作る飯が美味い世界であってくれよ。逆だなんて、悲しすぎるじゃないか。どうしてみんなが敵に捕らわれた女騎士みたいな目に遭わなきゃならないんだ。頼むから王道のRPGであってくれよ。囚われたお姫様を救いに行くのは選ばれし勇者で、魔王は世界を滅亡させようと企んでてくれよ。

私は悔しい。こんな男が作る飯を美味いと思ってしまう舌を持っていることが悔しいよ。

こんな状況、アダルトビデオでも見たことがある気がする。「でも、どうだい？？舌（下）の方は正直だよォ？？」という感じ。悔しィィィぃ！！！！でも、目の前で他の店員を叱らないでぇぇぇ！！！

（またチャーハン食べに行こう･･･）