土手

みんな集合だよ~

車内でこっそり言った「女子校生でお願いします」

実家が福岡にある。

 

お盆の時期になると、2週間ほどの夏休みをもらって実家でくつろぐのが毎年の恒例。

 

今年はコロナで帰省することが出来なかったが、去年の夏は思い出深かった。

 

 

私は福岡に帰省した時は「1度だけソープ(中洲)に行っても良い」という自分ルールを課している。

 

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なんのことはない。

普通にエロいことをしたいだけである。

 

 

しかし、自分ルールでチャンスは1回きり。

絶対に失敗したくない。

 

 

私は家族との団欒もそこそこに、夜中の1時くらいから2時間ほど情報サイトをチェックし、気になる店をピックアップ。

 

 

この作業を5日間ほど繰り返す。

すると、だんだん店の数、気になる女性も絞られてくる。

 

「料金システム」  OK、理解した。

「写メ日記」 なるほど、何となく雰囲気は掴んだ。

「クチコミ」 分かった。参考にさせてもらう。

 

首尾は上々。

 

最後に「爆サイ」という風俗、ハッテン場、ギャンブル、人の特定スレばかり乱立する民度の低い掲示板を見て“真(まこと)の評判”を見れば仕上げだ。

 

私はインターネットリテラシーが高いので、レスの真贋をすぐに見分けることが出来る。

 

どうやら、私が会いたいと思った娘の評判は良いようだ。

 

よし、ここに決定だ!

 

 

早速予約を入れるために電話をする。

 

(ちなみに風俗を利用する時は電話の瞬間が一番緊張します)

 

TRRRR、TRRRRRR、ガチャ

 

店員「はい!□□店でございます!」

 

私「すいません、初めてなんですけども〜」

 

店員「承知致しました!どの娘か気になる娘がいる感じでしょうか?」

 

私「さくらいひなこさんが気になってまして」

(※本当にさくらいひなこという名前だったのだ)

 

店員「はい、ありがとうございます。いつ頃ご希望でしょうか?」

 

私「○○日の△△時からって空いてますか?」

 

店員「少々お待ちください、えぇっと、、、あっはい!大丈夫です!」

 

私「じゃあ、その日時で予約お願いします!」

 

店員「承知しました。お名前と電話番号頂戴してもよろしいでしょうか?」

 

私「はい。○○(友人の名字)と申します。電話番号は・・・」

 

 

というわけで、無事予約が成功。

もうここまで来たら緊張は解けた。ふぅ、やれやれ。

 

 

店員「では、予約の前日、最後に確認の電話させていただきますね。その際にコスチュームの希望などがあれば言ってくださいね」

 

はいよーオッケーOK。

 

店員「確認の電話に対応いただけないと、予約がキャンセルになってしまうのでご了承ください」

 

モーマンタイ、無問題!

 

 

 

 

 

 

 

 

問題発生である。

 

 

何を隠そうこの事前確認の電話、よりによって家族と親戚を乗せた車内でかかってきやがった。

 

こんなことならみんなで魚市場になんか遊びに行くんじゃなかった。

 

私は助手席に座っている。

後部座席じゃなかったのがせめてもの救いか。

 

 

絶対に取らなければいけない電話。

 

運転席には歳も近い親戚のお姉ちゃん。後ろには子供の頃から可愛がってもらっていた叔母ちゃん。

 

めちゃくちゃ出たくない ・・・!

親戚に風俗行こうとしているのがバレるのめっちゃ恥ずかしい・・・!

 

だが、電話に出なければ夜な夜な調べ尽くしたあの日々が無駄に・・・

 

ぐぅぅぅぅぅ!!

 

 

 

 

意を決して電話に出た。

 

何食わぬ顔で窓を開け、風を浴びる振りをして話をする私。

 

 

私「アッ、モシモシ、○○デスケド」

 

店員「ありがとうございます。□□店です。予約確認の電話なのですが、よろしいでしょうか?」

 

私「(全然よくないが)あっ、大丈夫ですよ〜」

 

店員「ありがとうございます。○○日の△△時からさくらいひなこさんで予約お取りしています。お間違えないでしょうか?」

 

私「はい、合ってます〜」

 

店員「ありがとうございます。予約のお時間ちょっと前くらいにいらっしゃってくださいね」

 

私「はーい、分かりました」

 

店員「では、コスチュームのご希望などございますか?」

 

私「!!!」

 

そうだった。前日にコスチュームの希望聞かれるんだった。

 

当然、リサーチは済んでいる。

 

女子校生、OL、ナース、ドレス、チャイナ服、私服・・・

 

さくらいひなこさんはサイトに載っていた女子校生の制服を着た写真がとても似合っていたので、ぜひ女子校生でお願いしたいところだった。

 

 

親戚が集う車内。

少しだけ途切れた通話。

 

 

 

私は小さな声でこっそりと、

 

「女子校生でお願いします・・・」

 

と言った。

 

 

 

 

魚市場で食べたお寿司は美味しかった。